微小重力高品質タンパク質結晶生成装置

  

宇宙空間を利用した科学研究が推進される環境が整備され、結晶成長や細胞動態に関する実験が行われている昨今、本装置では、地上で疑似的環境を創生し、実験・研究を行うことが可能になります。

実験・研究は宇宙の時代へ

重力による対流がない宇宙空間ではタンパク質などの高品質な結晶を得ることができます。

宇宙実験での下記留意点を補完

 ・1サンプル数百万の実験費用
 ・実験結果の確認まで10カ月程度必要
 ・構造変化の過程がわからない



「高品質タンパク質結晶生成装置」、微小重力環境を創生することで

高品質は結晶が得られる

  重力による対流がほぼ生じないため、飼料溶液中の分子の自由な拡散により、結晶が成長するため、
  構造に欠陥が入りにくく高品質な結晶を得られます。

実験機会が豊富に得られる

  実験までに時間を必要とする宇宙間実験にくらべ、本装置はいつでも実験を行うことが可能なため、
  結果までに要する時間の短縮が可能です。

一度に200以上の結晶生成実験が可能

  宇宙で実験を行うと1サンプル数百万の費用が必要ですが、独自に開発した専用プレートを用いることで、
  同時に200を超える条件での結晶化実感を行うことが可能です。。

結晶成長の様子をリアルタイムに観察

  その場で観察可能な顕微鏡装置を搭載することで、結晶化プレートを微小さ重力空間かなら取り出すこともなく、
  すべての結晶化溶解の観察が可能です。

高タンパク質について

タンパク質の結晶とは?



タンパク質は多種多様な3次元構造をとっており、タンパク質の構造と機能は強く関係しています。 タンパク質の機能を探究する上で、立体構造を精密に決めるには、目的のタンパク質を結晶化し、X線を照射して 「結晶構造解析」するのが一般的です。しかしタンパク質の結晶を得るための画一的な手法はなく、結晶化の条件はタンパク質によって異なります。




高品質なタンパク質の結晶を得ようとすると、結晶化に使用する溶液の組成、結晶化を行う温度環境などさまざまな条件を検討する必要があり、結局は数千~数万もの条件をしらみつぶしに調べることになります。





無重力だとなぜ良いか?


宇宙の微小重力環境では、高品質結晶が得られることが知られています。地上では重力によってタンパク質結晶をつくるための溶液中に対流が生じ、結晶成長が乱されますが、宇宙では重力による対流がないので、飼料溶液中の分子の自由な角さんによって結晶が成長し、構造に結果が入りにくいためと考えられます。




宇宙環境を利用して高品質なタンパク質結晶をつくるというのは素晴らしいアイデアですが、現実的には利用の機会が限られます。そこで地上で微小重力環境を実現する手段として、超電動磁石の強力な磁場で重力を打ち消す方法が考察されました。水滴を宙に浮かせるほどの大きな上向きの磁気力を発生させると、擬似的な微小重力条件が実現します。



超電動磁石により微小重力環境を創生 高品質タンパク質結晶生成装置


本システムでは、微小重力環境にその場観察が可能な顕微鏡装置を組み込んでいます。結晶化には本システム専用に開発したプレートを使用し、同時に200を超える条件での結晶化実験を行うことができます。すべての結晶化溶液のその場観察ができるため、結晶化プレートを微小重力環境から取り出さなくても結晶生成の様子を確認することが可能です。



結晶生成の様子動画

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